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弘法大師御年三十三歳

大師長安の都の城中を巡遊し給う時、川の流水の辺りにて童子が来たりて云わく和尚よ 虚空に字を書かれますか、大師は空中に字を書き、童子も水中に龍の字を書き給う、然るに龍の字に点なし、大師が童子に点なしを問い給うと、童子いわく失念致したと、字の上手さに再度問い給うと童子いわく此れを打つと真竜になりて昇天すと。   

 第同元年(806)8月の事なり

大師この童子をよくみると大聖文殊菩薩なり、大師、龍の文字に点を入れ、

唐より日本に向かって、教法を広める良い土地を示し給えと

三鈷を空中に投げ上げました、

三鈷は昇竜が天に登る雲にのって日本に向かって飛んでゆきました。

後に三鈷は高野山の御影堂前の松の枝に留まっいました、

此れを高野山では『三鈷の松』と崇め、

大師 後に真言密教の聖地となる高野山の松の枝に見つけ

此れを『飛行の三鈷』と称しています。

覺王山歳弘法堂では、長安城中にて遊行しながら

大聖文殊菩薩と会われる弘法大師尊像を

祭祀致しております。

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